アラン・グレ 独占インタビュー !

Cameraman

 

– イラストレーターの道へ進んだきっかけは?

昔から絵を書くことが好きだったんだ。それでパリにある “Ecole des Arts Appliqués (アートスクール)で学んだ後、本のイラストを描いたりストーリーを書く道を選んだんだよ。

仕事の電話やミーティングから遠く離れて、モニーク(妻)と一緒に世界中を航海する自由を持つためにもね。そして、著作料(印税)で生活をする・・・なんてことを夢に描いていたんだ。

 

– 絵本という道を選んだ理由は?

自分が子供の頃、成長するのにものすごく時間がかかったから、かな?(笑)

 

– ストーリーを書くことと、イラストを描く事、当時好きだったのはどちらですか?

両方とも大好きだったよ。もちろん題材によって多少の違いはあるけど。

いずれにせよ、ストーリーを考えて、それに合わせた文章、スケッチ、そしてページの構成を考える、という文章とイラストの両方を担当した時が一番楽しかったかな。ほとんどの本は、僕が文章とイラストの両方を制作したのだけどね。

 

– 絵本はどのようにして作られ、どのように新しい本が誕生したのですか?

直感、ある事柄に関してよく考えること、そして少しのイマジネーション。

実際のところ、新しいストーリーを考える上で困ったことは一度もないんだよ。いつも僕は野心的だからね(笑)。

それに僕は一つの場所にじっとおとなしくしていられるようなタイプの人間じゃないんだ。だからいつも忙しく動き回ってる。

絵本を作る手順は、最初に絵本やシリーズごとのテーマを決めて、次に本のサイズとページ数を決めるんだよ。それからスケッチをのせて、Casterman、Nathan、Hachette等の出版社に持って行く。

契約が交わされると、本のタイトルに関連する情報を集めて、文章を書き、イラストを仕上げて行ったんだ。

しばらくすると僕の文章に合わせて、弟のGerardや、友人のLuis Campsが絵を担当してくれた。

手掛けた本はどれも、情熱を込めて制作したよ。

想像がつくだろうけど、僕は何に対しても常に興味を持っているんだ。

 

– 絵を描いているときはどんなことを考えていたのですか?

その時に創り上げていた本のシーンの中に完全に自分も入り込んでいたよ。シーンの中で僕自身も生きる感覚だね。

あ、でもKim Basinger(キム・ベーシンガー / ハリウッド女優)や次のセーリング旅行の事を考えていた時を除いてね!(笑)

 

– ROMÉO(ロメオ)の誕生の由来は?実存した犬をモデルにしたのですか?

実在する犬ではなく、純粋に想像から生まれたキャラクターだよ。

コミカルでフレンドリーな犬を考えていた時に、自然とペン先から生まれたんだ。

実生活で僕はいつも犬と一緒だけどね。今まで飼ってきたのはロングヘアーシェパードが多いね。

 

– イラストレーターや作家の道をやめた理由は?

絵本のイラストを終わらせた理由は、同じような絵を繰り返し描いている事に気が付いたからなんだ。

同じような木、同じような動物、そして同じような家とね。

この世界に存在するさまざまなことを、イラストと言葉ではっきりと、絵本というものを使って子供に伝えること、そして教えることは好きだったんだけど、なんだか時間を無駄にしているような気がしたんだ。

弟や友だちのLouis Campsがイラストを手伝ってくれたから仕上がったけど、僕がイラストもすべて担当しなければならなかったとしたら終わらなかっただろう作品もたくさんあるよ。一つ一つ丁寧に絵を仕上げるということは、とても時間を要するものなんだ。

 

– その後の仕事は?

絵本の後は、航海術に関する雑誌(Voiles et Vlilliers)に記事を載せたり、ナビゲーション(Editions Gallimard)に関する本に力を入れたよ。

初心者向けにたくさんの写真を載せて説明したもので、絵本とは違って、もっと技術的な大人向けの本を作ったんだ。その間に僕も絵本と共に成長したってことかな(笑)

 

– 航海中に、船の上でイラストを仕上げたことはありますか?

1冊だけ船の上で仕上げた本があるよ。‘Les plantes’ (The plants, Casterman)という植物に関する絵本。これにはたくさんの努力と時間が必要だったから

他にも、訪れた国々での船に関するルールなどをまとめたコラムを掲載したことがあるよ。新しい人たちに、セーリングの冒険に興味を持ってもらうためにね。

 

– 若い頃から船(セーリング)に興味があったのですか?

15歳頃の時に、Alain GerbaultやSlocumをはじめ、たくさんのナビゲーターに関する物語を読んだのがきっかけだった。

これらの冒険物語を読むうちに、自由、自立、冒険中の困難を経験してみたいという欲望、そして船の上で生活をすること(もちろんモニークも一緒だけどね)など、セーリングについてたくさん学んだんだよ。

 

– 航海中に嵐のような悪天候や大変な困難に遭った事は?

海を旅しようと思ったら、その時々の天気を選ぶ事はできない。だから突き進むしかないんだ。そして、そういう困難に遭いたくないと思っていても遭ってしまうものなんだよ。

沖や海岸の側(これが一番危険なんだ)を航行中にかなりの悪天候に遭遇した事があるよ・・・でもきちんと手入れのされた良い船で、多少の経験と論理的な考えがあれば、問題なく全て上手く行くんだよ。全てというより大体のことかな。

少なくとも僕達が船で1970年から1983年の間に航海した距離数(フランスのSaint-Cloudを拠点とする)、135,000kmの経験上ではね。

 

– モニーク夫人との最初の出会いは?

初めて会ったのは彼女の高校生活最後の日。弟(Gerald)を通して知り合ったんだ。

僕が一目惚れしたんだよ!彼女には船(遊覧船)の中で生活をしたいという夢が、僕にはセーリングシップの上で舵を取りながら生活をしたいという夢があった。その時から僕らは離れることができなくなったんだ。

結婚して50年以上経った今(婚約期間は3年)でも、僕らはお互いなしでは何もできないんだよ。

 

– 好きな食べ物、苦手な食べ物は?

僕はとてもシンプルなものを好み、よく知らない食べ物は苦手なんだ。エキゾチックな食べ物とか・・・ だから海外に行くとそれはもう大変だよ。

 

– 自由な時間があるとき何をしているのですか?

興味深い質問だね。でも余った時間はないんだよ(笑)。もしあったとしたら、もっとたくさんの航海術に関する本を書くと思うよ。人生の中で好きなことをして、それを生活の糧とすることができている僕は十分運がいいよね。

 

– どんな音楽が好きですか?

クラシックとジャズ。

学生の時はベースとクラリネットを「Latin Quarter of Paris」というパリのパブで、ニューオーリンズスタイルで演奏して稼いだ事もあるよ。その後1960年代はテナーサックスをモダンジャズバンドで演奏したんだ。これはもちろんアマチュアだし、純粋に楽しむ趣味としてね。

今はシンセサイザーをオーケストラで演奏しているかのように(もちろん本物のオーケストラではないよ(笑))楽しんでいるよ。

こういったことは自分にも才能があるんだ、ということを教えてくれるんだ。これは前の質問の答えにも共通するね。

 

– 画家、レイモン・ペイネ(Raymond PEYNET)氏との出会いについて教えて下さい。

彼は僕の母校の元生徒で、当時、この学校に関するアマチュア映画を友人と一緒に作る機会があったんだ。そのとき僕がペイネに連絡を取り、彼の生み出したキャラクターをベースに、アニメーション映画の企画を立てて一緒に手掛けようとしていた。

でもそれは一度も完成することはなかった・・・28ヶ月もの兵役のためにね!

彼は僕が知っているアーティストの中で一番紳士的で、優しい人だった。

 

– 今では多くの若いイラストレーターたちがアラン・グレさんを尊敬し影響を受けています。アラン・グレさんが若い頃に影響を受けたアーティストは?

まずは若いイラストレーターの人たちに自分が影響を与えているということを知ってとても嬉しいし、感動したよ。そのようなことは全く知らなかったから、本当に嬉しいね!

僕の場合、デビュー時はアメリカのイラストレーター、Alice and Martin Provensenに影響を受けたんだ。1950年~1960年代のとても素敵なアーティストだよ。

 

– 最後に、グレさんのファンの人々にメッセージをおねがいします!

僕の作品に興味を持ってくれてありがとう!興味を持ってくれる人がいる、ということを知って驚いたけど、とても嬉しいよ。

いつかファンの人がいる国を訪れて、実際に会うことができるかな!?

 

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